ブロック塀の撤去費用と補助金——契約する前に読んでください
最初に、これだけは
- 補助金は「交付決定の前に契約・着工すると出ません」。業者に言われてその場で契約するのが、いちばん多い失敗です
- 熊本市の令和8年度の枠は10件程度・先着順です。使うつもりなら早めに動いてください
危険な塀かどうか、6項目で確認できます
2018年の大阪北部地震でブロック塀の倒壊による死亡事故が起きてから、全国で点検基準が示されています。1つでも当てはまらなければ改善が必要です。
| # | 確認すること | 基準 |
|---|---|---|
| 1 | 高さ | 地盤から2.2m以下か |
| 2 | 厚さ | 10cm以上(高さ2.0m超なら15cm以上) |
| 3 | 控え壁 | 高さ1.2m超なら、3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上飛び出した控え壁があるか |
| 4 | 基礎 | コンクリートの基礎があるか |
| 5 | 劣化 | 傾き・ひび割れ・破損・サビ汁がないか |
| 6 | 鉄筋 | 鉄筋が入っているか |
建築基準法施行令第62条の8ほかに基づく点検項目。判断に迷う場合は建築士か市町村の建築担当課へ。
傾いている塀のそばに近づかないでください。余震で倒れます。特に通学路や歩道に面している塀は、他人にけがをさせると所有者の責任になります。応急的にカラーコーンやロープで人が近づけないようにするだけでも違います。
撤去費用の相場
高さ1.2〜1.6m × 長さ10m の塀で、総額12万〜35万円(処分費込み)が目安です。
| 項目 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 解体作業費 | 5,000〜15,000円/㎡ | m単価では5,000〜15,000円/m |
| 処分費 | 1万〜5万円/一式 | 別計上が普通。要確認 |
| 養生費 | 1万〜3万円/一式 | —— |
| 重機回送費 | 3万〜5万円/一式 | 重機を使う場合 |
| 整地・補修費 | 1万〜3万円/一式 | 撤去後の跡地 |
| 諸経費 | 総工事費の10〜15% | —— |
| 最低工事料金 | 3万〜5万円 | 小規模でもこれ以下にはならない |
| 基礎まで撤去する場合 | 壁だけの1.5〜2.0倍 | 金額が跳ねる最大の要因 |
見積で差がつくのはここ:解体作業費だけを見せて、処分費・重機回送費・諸経費を後から足す見積があります。「処分費まで込みの総額を書面で」と伝えてください。それだけで比較できるようになります。
作り直す場合の相場
| やり方 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| ブロック塀を新設 | 17,000〜25,000円/㎡ | 基礎工事3,000〜6,000円/m+ブロック積み約10,000円/㎡ |
| (実例)20m×5段積み | 約30万円 | 基礎12万+ブロック18万 |
| メッシュフェンス | 8,000〜15,000円/m | いちばん安い |
| 目隠しフェンス | 18,000〜35,000円/m | —— |
| 既存の塀にフェンスを後付け | 15,000〜30,000円/m | —— |
おすすめの直し方:塀の上のほうだけ撤去して高さ40cm以下のブロック+フェンスにする。安全ですし、次に説明する補助金の対象にもなり、費用も抑えられます。
熊本県内の補助金制度
下の表は平時の制度内容です。大きな地震のあとは、予算の増額・要件の緩和・期間の延長が行われることがあります。必ずリンク先で最新をご確認ください。
| 自治体 | 補助の内容 | 公式ページ |
|---|---|---|
| 熊本市 | 撤去費の2/3(撤去面積×15,000円/㎡の2/3との低い方)、上限20万円。処分費も対象。全撤去または高さ40cm以下に下げる工事が対象。 令和8年度は10件程度・先着順(〜12/28) | 熊本市 公式 |
| 宇土市 | 撤去:事業費の2/3・上限20万円 撤去後に安全な塀を新設:2/3・上限10万円 | 宇土市 公式 |
| 玉名市 | 撤去費用の80%・限度額40万円 | 玉名市 公式 |
| その他の市町村 | 県が市町村の撤去補助を支援する制度があります。お住まいの市町村の建築担当課へ | 熊本県 公式 |
補助金でいちばん多い失敗
- 交付決定の前に契約・着工すると、補助が受けられません。熊本市・宇土市とも明記されています
- 訪問業者に「今すぐ契約すれば補助金の枠を押さえられる」と言われたら、それは嘘です。枠を押さえるのは市町村への申請であって、業者との契約ではありません
- 正しい順番:①市町村に相談・申請 → ②交付決定を受ける → ③業者と契約 → ④着工
見積書で確認する4つ
- 処分費が含まれているか——「解体一式」だけの見積は、あとで処分費を足されることがあります
- 基礎まで撤去するのか、壁だけか——金額が1.5〜2倍変わるところです
- 長さ・高さ・面積が数字で書いてあるか(◯m × ◯円 の形)
- 補助金の申請に使える見積書の形式か——市町村指定の様式がある場合があります。申請予定なら先に窓口で確認を
相見積もりは2〜3社
解体業は元請けが下請けに流すことがあり、その場合15〜30%の中間マージンが乗ります。地元で直接施工している業者に頼めば、その分安くなります。
出典:マイナビ外構